仕事が終わって…
座れない電車で帰る。
日が伸びてなかなか夕空にならない。
これが、ホワイトC(※)なら、帰りにちょっと付き合って…となるが、みな、一目散に自宅を目指す。
(※)ホワイトカラー
プライバシーの侵害だのなんなのうるさいから、電車でスマホをやってるのをとやかくいえない。
これが、少し前ならボーッとしているのが多かっただろう。
スマホは洗脳臭い。
株をやっているのだって、長期的な予測はイメージでしか掴めなかったのが、いまはリアルタイムだ。
海岸を通る電車は風が強くても丈夫に走る。
湾岸線は電車と併走していく。商用車より、最近は高級車やコンパクトカーの方が目立つ。
國の斜陽…衰退していくとか言われているけど、可能性のなかを生きる。
COVIDだってそうだ。死ぬ可能性があるからこそ、どこか他人事にしておかないと身が持たない。
電車がキレイだ。いや、綺麗というか雑音がないし、電子公告でヒマを作らせないというか。
線路のポイントを通過する音にイメージが湧き、ロマンがあった。
寝台列車なんてあったのが夢の様だ。
格安にしてもう一度やればいいのにと思う。
中高年の盛りを過ぎれば、老いていく自分との対話になる。年数が経った機械にぼろが出てくるように、検査結果はしだいに芳しくなくなる。
もう一度、若返りたいか?といえばそうでもない。
恥の多い…いや、生きることじたいが恥ずかしいことなのかもしれない。
むかしいた町に帰りたくないように。