本が読めないわけは
先の本にありましたが、本が読めないのは本人の問題だけではないように思います。
貧困や労働の問題に詳しい松本さんなどは、流行りの本の内容が自身の生い立ちと合ってない、嘘描いていると言います。
文章も世に出す時は平均したものを出す訳ですから、内容が合う、合わないが必ず出てきます。
生い立ちから、それを経験していない場合は内容が嘘くさくなっても仕方ないことです。
変なはなし、ベストセラーの小説はアベレージに酔うというか、一般的にこんなもんだろう、という安心感や疑いがない場合に読めたり、納得できたりしますから、一般的に云々がない場合は、何いってんの?になります。
この「一般的に」というのは、ある程度働いて、生活して、物を買ってとか、いわゆる普通、並な現代文化のようなものがありますし、作家や編集者も世の中の傾向には合わせざるを得ませないでしょう。
私などは世の中に疎いですから、働いて喰って寝るの繰り返しなもので、読んで分かる本と分からない本は出てきます。
生い立ちが芳しくない場合、学園物やエリートストーリーなどは「何これ?」になりますし、劣等感を高めます。
エリートの高校生や大学生、若手社員などの麻薬パーティーなんかの描写を見ると「ああ、これが世の中なんだな」と妙に納得してしまいます。
彼らがその輪の仲で上手くいっているからです。
作家の願望と同時に世の中も描いていますから、それに合わない場合はフラストレーションが高まるのです。
ゆえに、本は読めないモノがあって当たり前です。
読めないものは何か?くらいは知っていていいでしょうが、ムリして読んで元気無くしていては、損です。
村上さんも本は中間マージンがあるから、値下げはできないと言うくらいですから、自分に適したものを選びましょう。
良質なものを大事にすればいいのです。